第16章 シンドリア
私はアリババの立場がやっとわかった気がした。
元王子ってことは聞いてた。だけどどうやって国から王族がいなくなることになることはわかっていなかった。
私は自分の国とは状況も何もかも違うけど、アリババも自分の大切な国を、その国に暮らす国民を大切に思っていることはとても伝わってきた。
レイ「…煌、帝国か。
……それで白龍とあんな感じになってたんだね。
私はアリババがそう感じるのは普通だと思うよ?王族であったんだから民の幸せを願うのも当たり前、そして、自分で幸せにしてあげたいと思うのも当たり前。
私も自分の国は他国に領土ごと占領されたから、民を守れなかったから少しはアリババの気持ちが理解できると思う。
だからさ!
無理に今すぐは仲良くなろうとしなくていいと思うよ?
でも、アリババはバルバットの未来を考えがえることをやめたわけじゃないよね?
それなら、時間をおいて頭の整理をしてからちゃんと話したらどうだろう?
白龍さんはシンドリアに留学するんだから長期滞在するはずだしね!」
私はアリババを元気づけようと満面の笑みを浮かべた。
この後アリババと2人で宴が行われている広場に戻ったらほとんどの人達が酔い潰れていて大きな溜息をついていたジャーファルさんと一緒に後片付けを手伝うことになった。