君がくれた大切な想いと気持ち 〜春、再会、君と私〜
第2章 〜春、再会、君と私〜
それから季節はいくつも巡った。
桜は散って、夏が来て、秋が色づき、冬が街を白く染めた。
忙しさに追われながらも、
ふとした瞬間、君の言葉や笑顔が思い出される。
不思議と寂しさよりも、背中を押されるような温かさが残っていた。
そして、また春。
駅前の並木道。
あの日と同じように桜が咲いて、
同じように風が吹いて――
でも、私はもう立ち止まらなかった。
「……久しぶり」
聞き覚えのある声に振り向くと、
少し大人びた君が、そこに立っていた。
一瞬、言葉を失って。
次の瞬間、二人同時に笑った。
「変わってないね」 「そっちこそ」
そんな軽い会話なのに、
胸の奥が一気に騒がしくなる。
並んで歩き出すと、
距離感だけは昔のままで、
でも心は確かに前より近づいていた。
「ねえ」 「うん?」
君は少しだけ視線を逸らして、照れたように言った。
「あの時さ、離れるの、正直怖かった」 「……私も」
言葉にした瞬間、
胸に溜めていた想いが、ふっとほどけた。
「でもさ」 君は立ち止まって、まっすぐ私を見た。 「離れたから、気づいたんだ」
桜の花びらが舞う中で、
君の声は少し震えていた。
「君が、特別だったって」
心臓が跳ねる音が、はっきり聞こえた気がした。
「私も」 そう答えると、君は安心したように笑った。
そっと、指先が触れる。
逃げなかった。
今度は、離れなかった。
君がくれた大切な想いと気持ちは、
時間を越えて、恋に変わった。
遠回りだったけれど、
ちゃんと同じ場所に戻ってきたんだ。
桜の下で、二人並んで歩きながら思う。
――また会えたら、じゃない。
今度こそ、ずっと一緒に。