君がくれた大切な想いと気持ち 〜春、再会、君と私〜
第1章 君がくれた大切な想いと気持ち
春が来た。
桜は相変わらず勝手に咲いて、何事もなかったみたいに風に揺れている。
「今年もきれいだね」
君はそう言って、少し照れたように笑った。
その笑顔がまぶしくて、私は思わずうなずくことしかできなかった。
新しい制服、新しい靴、新しい毎日。
未来は明るいはずなのに、君と並んで歩くこの道だけは、なぜか少し短く感じた。
「それぞれ頑張ろうね」
前向きな言葉なのに、胸の奥がちくりと痛んだ。
君も同じ気持ちなのか、空を見上げたまま、しばらく黙っていた。
桜の花びらが一枚、君の肩に落ちる。
私は思わず笑って、そっと取ってあげた。
「ほら、ついてるよ」
「ありがとう」
たったそれだけの会話なのに、世界がやさしく輝いた。
この一瞬を、忘れたくないと思った。
駅の改札が見えてくる。
人の流れが早くなって、君との距離が少しずつ遠くなる気がした。
「またね」
君は明るく手を振った。
私も笑顔で手を振り返す。
ちゃんと笑えていたと思う。
でも、背中を向けた瞬間、胸がぎゅっと締めつけられた。
涙は流れなかった。
君がくれた想いが、私を強くしてくれたから。
振り返らなくてもわかる。
君もきっと、同じように前を向いて歩いている。
それが少し寂しくて、でも嬉しい。
君がくれた大切な想いと気持ちは、
別れじゃなく、未来へ進むための光になった。
そして私は、桜舞う道を一人で歩きながら、
心の中でそっとつぶやいた。
――また会えたら、その時はもっと笑える私でいよう。