君がくれた大切な想いと気持ち 〜春、再会、君と私〜
第1章 君がくれた大切な想いと気持ち
あの日、君は特別なことを言ったわけじゃなかった。
ただ、いつもより少しだけ優しい声で「無理しなくていいよ」と言っただけ。
それなのに、その言葉は胸の奥に深く沈んで、今も消えない。
私はずっと、強くいなきゃいけないと思っていた。
立ち止まることも、弱音を吐くことも、誰かに頼ることも怖かった。
でも君は、そんな私の不器用さを見抜いたみたいに、何も聞かず、何も責めず、ただ隣にいてくれた。
夕暮れの帰り道。
オレンジ色の空の下で、影が二つ並んで伸びていく。
沈黙が続いても、気まずさはなかった。
それがどれほど救いだったか、きっと君は知らない。
「君は、そのままで大丈夫だよ」
その一言で、張りつめていた心がほどけた。
涙が出そうになって、慌てて空を見上げた私に、君は何も言わずに微笑った。
君がくれたのは、形のあるものじゃない。
触れられないし、目にも見えない。
でも、確かにそこにあって、私を支えてくれる大切な想いと気持ち。
たとえこの先、別々の道を歩くことになっても。
君からもらった温もりは、私の中で灯り続ける。
迷った夜も、立ち止まりそうな朝も、きっと思い出す。
――ああ、私は独りじゃなかったんだって。
君がくれた想いは、今も私の心を静かに照らしている。