第9章 あふれる想い
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戸惑うちーちゃんをなんとか説得することができた。
私の並々ならぬ圧に押されたためか、夢が故のご都合主義なのかは不明だが、結果的に、ちーちゃんは学校を抜け出し、今日一日、私とデートをすることを了承してくれた。
少し話してわかったのだが、夢の中の世界では、私の性別が違うだけで、ちーちゃんとの思い出はそのままであるということだった。
だから、ちーちゃんとしても、私に好意を向けられることはそれほど意外ではなかったということだった。
「でも、びっくりしたよぉ」と屈託なく笑う。
その姿を見られただけでも、ものすごく幸せだ。
最後まで「今日しかないってどういう事?」と気にしていたが、まさか夢の世界だとは説明できないので、適当に誤魔化した。
制服姿で街をウロウロしていると補導されかねないので、適当な店に入って、着替えを買うことにした。ちーちゃんはビビっていたが、お金は全部渡しが出した。
どうせ夢だ。なんでもありだ。
本当はちーちゃんに似合う服をあれこれ物色したかったが、そんなことをしている時間ももったいなかったので、ちーちゃんにはベージュ地のフリルが少し付いたワンピース、私は白のポロシャツとグレーのチノパンにした。
靴は変えられなかったので、ややアンバランスだが、まあいいだろう。
制服は邪魔なので、紙袋に入れて適当にコインロッカーに収める。
取りに来れるとは思えないが・・・
「なんか、ドキドキするね」
ちーちゃんはすっかり開き直ったようで、にこやかに笑う。
「手、つないでいい?」
私が言うと、ちょっと照れた感じで手を繋いでくれた。
そのうち、身長の高い私にしがみつくようにして歩いてくれる。
ちーちゃんの肌のあったかさが伝わってくる。こうして歩いてるだけで、涙が出るほど幸せだった。
とにかく、今日一日、ちーちゃんと楽しくデートするんだ。
午前中はちーちゃんの希望で総合アミューズメントパーク。ボーリングやカラオケもできるし、ゲームセンターもある。
ちーちゃんとボーリングで勝負したが、あっさり負けた。
ゲームセンターではエアホッケー三番勝負、これもあっという間に負けてしまった。