第31章 溺れる深海
そんな宿なので、食事もそこそこだったし、風呂も内風呂があるわけではなく、大浴場があるだけだった。
大浴場は当然男女別・・・まあしょうがないよな。
別々に風呂に入り、部屋に戻ると、布団が敷いてあった。佳奈が微妙に布団を近づける。
「へへへへ・・・」
笑った顔が可愛い。なんだか、この顔を見ているだけで少し元気になった気がする。
時計の針が10時を指した。特にイベントのある宿でもないし、そもそも急速に来たのだ。そろそろ寝るかな・・・、と思った矢先、佳奈が耳元で囁く。
一緒に大浴場行かない?
今の時間なら、多分誰もいないから、きっと一緒に入れるよ・・・と。
その言葉に誘われて、僕は佳奈と一緒に浴衣姿で大浴場に向かった。
そっと、中を覗くと確かに誰もない。
「大丈夫かな?」
僕が呟くと、佳奈が、「実はね・・・」と教えてくれた。
宿の予約をした時、今日が彼氏の誕生日だって言ったら、じゃあサービスで大浴場夜の10時から二人の貸し切りにしてあげるって・・・。
だから・・・
「お風呂でセックス・・・しよ?」
キュッと佳奈が抱きついてくる。ふわりとお風呂上がりのいい匂いがする。
佳奈の柔らかな唇が押し付けられ、胸の膨らみの感触を浴衣越しに感じる。背中に手を這わすと、佳奈が軽く喘いだ。
「脱がせて・・・真人・・・」
佳奈の浴衣の帯を解く。下着はつけていなかったようで、すぐにシミ一つない、眩しい佳奈の裸身が現れた。
今度は佳奈が僕の帯を解く。耳元で囁かれたときから僕のちんこは大きく勃起していた。かなと違って普通に下着をつけていたので、浴衣を脱がされると、ピンとテントを張ったパンツが顕になる。
そのテントにすいっと佳奈が指を這わせる。
「真人・・・大きくなってる・・・」
そして、またキスをしてきた。ついばむようなキス。
どうしたのだろう?旅行先だからか、今日の佳奈はいつもより積極的だ。
「お願い・・・今日はいっぱい抱いて・・・」
ふたりとも全裸になると、そのまま浴室に向かった。浴室内はお風呂から立ち上る蒸気が充満していた。木枠の風呂場と石造りの床、そして、その床にエアマットが敷いてあった。多分、宿の人が気を利かせておいてくれたのだろう。