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淫夢売ります

第30章   沈む海


☆☆☆
ここは?

気がつくと僕は暗い海岸にいた。
あれ?さっきまで佳奈とホテルにいたはずでは?

そう思い、気がついた。
ああ、これが夢なのか?周囲を見回してみる。海の向こうに満月が綺麗に昇っている。月明かりが海にたゆたうように落ちていた。

ざーん、ざーん、ざーん

規則的な波の音が安らぎを誘う。
暑くもなく、寒くもない。海風が程よく心地良い。

こっちかな?
なんとなくだけど、自分が向かうのはこっちであるべき、という不思議な感じがあった。夢だからだろうか?ただ、そっちに行ったからといって何があるか、明確にわかっているわけではない。

浜辺を歩いていると、高台に家が見えた。家、というよりも西洋の城、に近い風情だ。確かにここは日本であるにも関わらず、それはドイツなどにあるような古城に見えた。

どうしてもあそこに行くべきだと、強く思った。遠くに見えたが、少し歩くとあっという間にたどり着いた。

僕がたどり着くと、何も言わないうちに、玄関口の扉がゆっくりと開いた。まるで僕が来るのを待っていたかのようだった。人力かと思ったが、特に人影はなかった。機械仕掛けなのだろうか?僕はそのまま入っていった。

入るとすぐに大広間のようになっていた。左右に回廊式の階段があり奥に大きな扉がある。左右の階段の登り口の奥にもそれぞれ扉があった。奥の間と両翼があり、二階は客室といったところだろうか?
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