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オオカミ少女は愛の夢を見る

第7章 告げる、覚悟


帰りのホームルーム。
一日の授業を終え、教室には少し緩んだ空気が流れていた。

「……連絡事項が一つある」

教壇に立つ
相澤の声で、
空気が一段落ちる。

「白井と心操は、
インターンのため本日は不在だ」

それは、
いつも通りの報告だった。

だが。

「白井について」

一拍。

「インターン先で、
逃走中の犯人と接触した」

教室が、
静まり返る。

「制圧は完了。
本人はケガを負ったらしいが、現在、
病院で処置を受けている」

——怪我?

その言葉を聞いた瞬間。

爆豪の思考が、完全に止まった。

「……は?」

喉から、
掠れた声が漏れる。

「命に別状はない」
相澤は、淡々と続ける。
「念のため、今日はそのまま帰寮だ」

「以上」

それだけだった。

だが。

爆豪は、
一歩も動けなかった。

——接触。
——犯人。
——病院。

さっきまで、
“今日、言う”と決めていた。

告白する覚悟。
言葉の順番。
場所。

全部。

一瞬で、
どうでもよくなった。

「……クソ……」

席を立つ音が、
やけに大きく響く。

「爆豪?」
切島が声をかける。

「病院だ」

それだけ言って、
教室を出た。

走るな、と言われても無理だった。

——命に別状はない?

——そんなの、
——行ってみなきゃ分かるかよ。
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