第6章 揺れる日常、進む背中
「これで、同じスタートライン」
誰かの言葉に、
白井の胸が熱くなる。
——インターン。
——現場に出る資格。
ようやく、
“みんなと同じ”場所に立てた。
「……嬉しい」
自然と、
そう口にしていた。
⸻
少し落ち着いた頃。
白井は、
人の輪から少し外れたところで、
息を整えていた。
「……よぉ。」
低い声。
振り向くと、
爆豪が立っている。
「……勝己」
「仮免、よくやった。」
短い言葉。
でも、真っ直ぐ。
「……ありがとう」
白井は、
素直に笑った。
「すごく……嬉しい」
その表情を見て、
爆豪は一瞬だけ目を逸らす。
「……当然の結果だ」
ぶっきらぼうだけど、
どこか柔らかい。
「これで、
前に出れるな」
——一緒に。
その言葉は、
言わなかったけれど。
白井は、
その意味を感じ取っていた。
「……うん」
短く頷く。
二人の間に、
少しだけ静かな時間が流れる。
——祝福される場所。
——待っていてくれた人たち。
そして。
——真っ直ぐに見てくれる人。
胸の奥に、
確かな安心が広がっていく。
白井は、
この場所に戻ってこれたことを、
心から嬉しいと思った。
祝福の夜は、
まだ続く。
そして、
次の一歩は――
もう、すぐそこまで来ていた。