第5章 まだ言葉にしない夏
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爆豪は、深く息を吸った。
「……分かった」
短く。
「じゃあ、俺がお前にその資格をやる。」
白井が、顔を上げる。
「分からねぇなら」
「伝わるまで、言う」
視線が、真っ直ぐ重なる。
「俺ぁ、楽しいって思ったら、楽しいって言う。隣にいたいなら、隣にいたいって言う」
「好きになりそうなら」
一拍。
「好きになりそうだって、言う」
誓いだった。
「否定されるのが怖ぇなら、俺が否定しねぇ」
「受け取れねぇなら、受け取れるようになるまで、俺は待たねぇ。俺がお前を変えてやる。」
白井の心の奥が、音を立てて
大きく揺れた。
——否定されなかった。
——背けられなかった。
「……勝己」
名前を呼ぶと、
爆豪の肩がわずかに跳ねる。
「……ありがとう」
もう、それ以上、言えない。
白井の瞳から、涙が溢れた。