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天狐あやかし秘譚

第88章 動如雷霆(どうじょらいてい)


今、俺は、野衾に包まれている。野衾の目眩まし効果で向こうからは視認されにくいはず。奴らはまだ俺に気づいていない・・・。
ここはやはり逃げるしか・・・

恐れをなしたクチナワが逃げようと、木の枝の上で踵を返そうとした矢先だった。

「みーつけた・・・のです」

背筋にゾクリとした悪寒を感じる。
後ろ・・・?

そう思った瞬間、ガン!と鈍器で頭を殴られたような衝撃を感じ、クチナワは意識がぶっとびそうになってしまう。

もし、その光景をはたから見るものがいれば、土門がクチナワの背後に忍び寄り、雷鎚の呪を放ったのが見えたことであろう。
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