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天狐あやかし秘譚

第87章 侵掠如火(しんりゃくじょか)


「よくもやってくれたな・・・ちょっと舐めてたぜ・・・
 脳のバックアップをとっておいて正解だった」

ダリは綾音をかばうようにその背後に隠すと、呆れたような目でその異形の姿を見る。
「随分、人間離れした姿になったな・・・」

その声や表情は余裕があるようにも見えるものだったが、綾音にはわかっていた。

服もあちこちボロボロ・・・衣服の修繕に回す妖力すらもなくなりかけているんだ・・・。
さっき、ダリが光球の炸裂のどさくさで逃げなかったのは、逃げなかったのではなく、逃げられなかったのだ。そして、一か八かに近い賭けに出た。それが外れた今、追い詰められているのは私達の方・・・。

背筋に一筋、冷たいものが流れていった。
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