第87章 侵掠如火(しんりゃくじょか)
クチナワが意を決して、宙空を舞うことができる妖怪『野衾』(のぶすま)を召喚しようとした時、
ドゴン!ドゴン!ドゴン!
立て続けに森で大きな爆音が響いた。
それはまるで、紛争地帯でミサイルが連続着弾する光景のようだった。凄まじい火力の何かが、地面に突き刺さり爆ぜているのだ。
「な・・・なんだ!?」
白いフラッシュのような光が炸裂し、続いて爆音が響く。
そのうち、森のあちこちから火の手が上がりだし、獣や鳥たちが一斉に騒ぎはじめた。
一体何だ!?何が起こっている?
誰か、別の何かとあの狐が交戦しているのか?
燃える森を眼下に見て、クチナワはただただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。