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天狐あやかし秘譚

第86章 其疾如風(きしつじょふう)


モミは、夢の中で指令を満了できずに、戸惑っていたのだ。

ーおいおい、どんだけ俺を煽るんだよ!
 すぐにもっといい夢見せてやるからよ

伸ばした舌が、ピンク色につるりと剥けたクリトリスに触れようとする。

戸惑ったモミは、滅多矢鱈に綾音を凌辱しようと、異形のヘビを使っていた。そして、それすらアレキサンドライトの力で上手くいかなかったのだ。

そう・・・モミは、疲れていたのだ。

ーへへへ・・・いただき・・・

その支配が緩み、夢は覚めかけていた。

「たすけて・・・」

ー・・・まーす!

『助けて』などと、本来は言えてはいけなかったのである。にも関わらず、クチナワは、目の前の性欲に負けて、モミの状態を把握することを怠ったのだ。

「ダリィっ!!」

その結果、綾音は声を上げた。
現実に、声を・・・上げたのだ。
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