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天狐あやかし秘譚

第86章 其疾如風(きしつじょふう)


これだけの物量があるんだ。攻撃しながら、誰かひとりが大技を放つことは可能だろう。でも、それがこない・・・ということは・・・?

「わかったぜ?」
カダマシが動きを止めた。顔の前で手をクロスさせ、顔こそ守っていたが、あとの動きは止めていた。そのため・・・

グサ、グサ、グサ!

四方からの『ダリ』の槍撃に身体を幾筋も貫かれる結果になった。しかし、彼は一向に動じない。

「やっぱりな、てめえらみんな幻だな?」

その言葉とともに、彼に槍を突き刺していた『ダリ』達はふわりと中空に溶けるようにして消えた。

「舐めた真似しやがって!隠れてねえで出てこいよ!!」

周囲にはまだゴソゴソと何かが動いている気配がある。カダマシの知覚力と膂力を恐れたのか、遠巻きにして様子をうかがっているようだった。

はっ!幻術を使ったってことは、力じゃ俺に勝てねえって言ってるようなもんだぜ?
神の力って言ってもその程度かよ!?

それとも、なにか?ちぎれた右腕がありゃあ違ったとか・・・そんな言い訳すんのかい?なあ、おい・・・

色男よ!

暗闇の森の中、ダリとカダマシの睨み合いはまだまだ続くことになる。
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