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天狐あやかし秘譚

第8章 楚夢雨雲(そむううん)


すっと肩に手がかかる。いつの間にかダリが私の横に同じような姿勢で座っていた。
ことんと、自然にダリの胸に頭を寄せてしまう。
ふわっとした温かさを感じ、これまで我慢していた涙が溢れる。

「怖かった・・・」

声が漏れる。一旦言葉にすると止まらない。

「も、もう、ダメかと思った・・・。私、死んじゃうかもって・・・ひとりで・・・怖かったよ」

ダリがギュッと肩を抱き寄せてくれる。
そのまま私が顔をあげると、そっとキスが降ってきた。

また、涙が頬を伝って、落ちた。

「すまなかった、綾音・・・」
いつもはちょっと意地悪で、心の中を明かさないダリが、今日はやけに素直だ。よほど、助けが遅くなったのを気にしているようだ。

「ぎゅってさせて・・・」

ダリがあまりに素直なものだから、私も、素直に言ってしまった。
そっとダリの身体に手を回し、抱きつく。ダリも、私の身体をそっと包み込むように抱き寄せた。
彼の体温が、私の身体の中に澱のように凝った恐怖をゆっくり溶かしていく。
溶けた恐怖はほろほろと涙と一緒に流れ落ちていく。ダリはそっと、そっと、私の背中を撫でていてくれた。深い、深い安心感が私を包み込む。
「ありがとう・・・ダリ・・・清香ちゃんを助けてくれて・・・御九里さんを助けてくれて・・・来てくれて・・・嬉しかった。ありがとう・・・」
何故かダリが私の頭をクリクリと撫でてくれた。まるで、昔々、運動会で一等賞になった時、お父さんが撫でてくれたような、そんな感じだった。

ダリが静かに唇を寄せてくる。そのまま、ゆっくりと床に押し倒される。
ベッドの上に、清香ちゃん寝てるのに・・・と思うが、ダリの優しい愛撫に、あっという間に身体が蕩かされていく。

パジャマの上からそっと胸を包み込まれるようにされ、指先が乳首に触れるだけで、甘い声が漏れる。

ダリ・・・好き・・・どうしよう・・・。

今日、怖かった。一番怖かったのは、ダリが来てくれないことだった。死んでしまうのも怖かったけど、二度とあなたに会えないことのほうが怖かった。

乳首を摘まれ、ピリッと性感が走る。思わずのけぞり、腰が浮いてしまう。

「キス・・・して・・・」
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