第69章 三人成虎(さんにんせいこ)
京依ちゃんは私の恋を応援しようとしてくれた。
「デートに誘いなよ」とか
「誕生日聞いた?」とか。
その度に「私は京依ちゃんみたいな陽キャじゃないから」と言ってお茶を濁していたが、「せっかくの青春だし、当たって砕けろ!」などとさんざん説得された。
私がヘタレだったこともあり、結局、小野くんに明確な好意を伝えられたのは、年が明けたころ、つい最近だった。本当はバレンタインデーに・・・とか思っていたのだが、京依ちゃんからの推しがあったのと、バレンタインに告白なんてベタなこと・・・と思ってしまった私がいて、結局、特に何でもない日に放課後、私が作った革製のペンケースをプレゼントとして渡しながらの告白となった。
ちなみに、革製のペンケースにしたのも京依ちゃんのアドバイスによるものだった。
「手編みのマフラーとかは最初からきついっしょ」
「それでも普段使えて・・・ちょっと嬉しくて、玲ちゃんらしいやつ」
などなど、色々一緒に考えた結果だった。
告白がうまくいって、何度かデートを重ねることになる。
小野くんは、やっぱり思っていた通りの人だった。
優しくて、物知りで、話していて飽きなかった。
多分、京依ちゃんがいなければ小野くんとこんな関係になることはなかったに違いない。
だから、京依ちゃんには、すごく感謝している。
なのに・・・。