第69章 三人成虎(さんにんせいこ)
その後、1週間後ぐらいにイタリアの風景写真で大分、盛り上がっていたりした。
また、ある時は、何処かから仕入れてきたような怖い話を披露したり、雑学めいた話を披露して皆を盛り上げていたりした。
とにかく明るくてよく喋る子、それが京依ちゃんだった。だから、彼女の周りにはいつもたくさんのおしゃべりな子たちがたくさん寄ってきていた。京依ちゃんを取り囲んでいるのは、いわゆるスクールカースト的には『中くらい』の子たちだ。私はといえば、おとなしめで、どちらかと言うと『少し下』という感じだった。本来ならあまり付き合いがないはずなのだが、京依ちゃんはどういうわけか私と一緒にいたがることが多かった。
高校1年生のうちは、私が手芸部、京依ちゃんが文芸部で、互いにほとんど部活がないこともあり、よく一緒に帰ったり、試験前に図書室で勉強をしたりしていた。私が余りおしゃべりをしないせいか、京依ちゃんも私といる時は、みんなと話すような旅行や有名人の話はあまりせず、どちらかというと好きな本の話や、ドラマの話が多かったように思う。
意外と好みのドラマや小説が似ているのが分かった。私達は気が合っていたんだと思う。
2年生になってクラスが別々になっても、私達の友人関係は変わらず続いた。
やや陰キャ傾向がある私とはいえ、やはり思春期女子である。ちょっといいなという男子はいる。京依ちゃんとの間でも恋バナが花を咲かせるときもあった。
京依ちゃんはあれだけ男子に囲まれていながらも、余り恋愛に頓着がないようで、主に私の好きな人の話を聞きたがった。私は2年生で同じクラスになった小野君が気になっている、という話をした。小野くんとは春の調べ学習で同じ班になって話すようになったのだが、パッと目立つ感じではないけれども、頭が良くて、いろんなことをよく知っていて、とても好感が持てた。
「好きなの?」
そう京依ちゃんに聞かれてドキンとしてしまう。玲ちゃんがどんな子を好きなのか見に行きたいと言われて、廊下から「あの人」と指さして教えたこともあった。どうやら小野くんは京依ちゃんの好みではなかったようで、「ふーん」くらいのリアクションではあったが・・・。