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天狐あやかし秘譚

第7章 天佑神助(てんゆうしんじょ)


☆☆☆
「んで?おのれはな~んもできず、ひっくり返ってただけだったと?」
サイケなイラストを施したオレンジのシャツ、チノパンのやっぱりチャラチャラした格好の男性がしゃがみこんだ姿勢で、いまだへたり込んでいる御九里に言う。

ただでさえ糸目なのに、ヘラヘラ笑っているものだから余計目がないよう見える。ただ、笑ってはいるが、全身から怒気が溢れており、それが御九里を心底怯えさせた。

「す・・・すいません・・・」
男は御九里に興味を失ったのか、立ち上がって、あたりを見渡す。

「ほんま、狂骨、おったの?残穢も何もないよ、ここ」
地面を指差す。
「確かにおりました。私達は結界を張っていましたが、確かに現認しています」
背後から黒装束の祭部衆(まつりべしゅう)が言った。
「ふーん。それをこんなキレーにねー。なーんか、ちょっと前にもこういう事あったな?瀬良ちゃん」
男が振り返ると、そこには黒のリクルートスーツに身を包み、肩までの髪の毛を後ろで結んだ女性が控えていた。瀬良、と呼ばれたのはこの女性だ。
「東北での曲がり神の時に似ていますね。土御門様」
「やな・・・んで?御九里ちゃんさ・・・どんなやつやったの?これやったん。よーけ聞かせてほしいんやけど」

ニヤリと笑う土御門の笑みが、御九里を更に怯えさせた。
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