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天狐あやかし秘譚

第66章 和顔愛語(わがんあいご)


それではと、芝三郎から『さすれば敵方を応援すれば良いのでは?』というナイスな提案があったのだが『儂は自分の気持ちに正直に生きておるんじゃ』などと抜かしやがる。

こいつ・・・ぶっ飛ばしたい。

そんなわけで、色々試した挙げ句、何ら解決策を見いだせず、困り果てた私は、今日、陰陽寮に来て土御門らに助けを求めた、というわけである。

「せやなあ・・・、なんかいい方法あるか?瀬良ちゃん」
瀬良ちゃん、という言葉に若干頬をひくつかせながら、『暦部門に問い合わせてみます』といったん席を外した。これで土御門たちにもどうしようもないとすると、本当に困ったことになる。

瀬良を待ちながら、あれこれアイデアを出し合ったものの、どれもピンとくるものはなかった。結局30分後、瀬良が暦部門から戻って来るまでの間、ひたすら茶をしばいているだけで終わってしまった。

「おう!瀬良ちゃん、どうやった?」
戻ってきた瀬良に土御門が軽く声を掛ける。瀬良の頬がまたピクリと動く。
「貧乏神の力を一時的に抑制する呪法があることがわかりました」

瀬良によると、とある御札を使った術式で貧乏神の力を一時的に抑え込むことができるらしい。土御門が瀬良の持ってきた資料の束に目をやる。

「なるほど・・・黄龍ねえ・・・」
「そうですね。五行説では貧乏神は水気由来。なので土性である黄龍がその力を抑えるのだそうです。そもそも黄龍自体、金運上昇みたいな意味がありますし、その点でも相克関係にあるのでしょう。」
「この符なら、祭部に頼めばすぐ作ってくれそうやな」
「ですね・・・ただ、おそらく貧乏神の力を抑えつけ続けるには相当量の呪力が必要かと・・・」
「そんなん心配いらへん。綾音はんには超妖力を持った、強い味方がいるやさかいな!」
な?と土御門が、ダリの方を見る。ダリは面倒そうにため息を付くが、私の願いだということもあってか、貧乏神の力を抑えつける役を引き受けてくれた。

なんとなく解決の光明が見えてきた。
貧乏神の力が抑えられれば、試合を見せても大丈夫かもしれない。彼の『推しのチームが勝つところを見たい』という願いを叶えられるかもしれないのだ。

これですべてがうまくいく・・・と思ったのだが・・・。
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