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天狐あやかし秘譚

第62章 堅忍不撓(けんにんふとう)


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【堅忍不撓】いかなる困難や苦境に立っても、じっと耐えること。
最後まで諦めない強い気持ちが素敵よ♡、みたいな。
♡ーーーーー♡

「さあ、だんだんリーチの人が増えてきましたね!そろそろビンゴの人が出るかな?」
霧島の声に合わせ、ガラガラっとビンゴマシーンが回転する。
「はーい!29番!・・・どうですか!?」
「ビンゴ!」
会場前に出ていたリーチがかかっている人の中のひとりが手を上げた。

「おめでとうございます!一等ですね!
 では、最初のビンゴなので、クラスとお名前を聞きましょう」
前に出た男性にマイクが向けられる。余り見覚えがないところをみると、一緒のクラスになったことがない奴のようだった。

「小暮幸彦です。3年のクラスはBでした」
「おめでとうございます!小暮くん・・・では、1番のテーブルから好きな賞品を選んでくださいね。さあ、まだまだ賞品はたくさんあります。みなさん、期待していてくださいね!」
テンションの高いMC霧島の声も、周囲の様子も、現実の光景が全て背景に沈む。知覚を研ぎ澄ます。注目すべきは、音ではない、気配、呪力・・・そして、動きだ。

奇妙な動きをしている人はいないのか、
呪力を放っているものは?

さっき、野づ霊が管狐に襲いかかろうとしたタイミングでさっと使い魔を引き上げたところを見ると、島本を視認できる距離に術者がいた、もしくは、今もいるということになる。しかし、残念なことに、そのような可能性を考えていなかったために、怪しい動きをした人物を特定するには至らなかった。

何か・・・きっかけを。
相手がボロを出すような何かを・・・。

しかし、肝心の管狐が回収されてしまっては、手がかりを失ったと言わざるを得ない。どんなに集中しても、違和感を検出するには至らなかった。仕方がないので、せめて島本に呪い避けを・・・と思って近づこうとした矢先、どこからともなく、しゅるんと管狐が島本に這い寄ってきた。

どうやら、術者は島本を徹底的に呪うつもりのようだ。

だが、これではっきりした。相手は完全に素人だ。先程の式神とのいざこざではびっくりして管狐を引っ込めただけのようで、自分の使い魔が追跡されたり、ましてや呪いを返される可能性についてまるで考えてないとしか思えない。
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