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天狐あやかし秘譚

第57章 猪突猛進(ちょとつもうしん)


ちらっと目をやると、瀬良が疱瘡神を大きく迂回して、その後ろに回り込んでいる様子が見えた。そして、私達に気を取られている真白の隙をついて、颯馬を一気に結界内に引き入れた。

「よか・・・った・・・」

相当私は無理をしていたに違いない。颯馬が助け出されたのを見届けたことで、ホッとした私の意識は、糸がぷつりと切れた凧みたいになって、くるくると回転して闇に落ちていく。

あとは・・・真白さんを助けて・・・お願い、ダリ・・・。

言葉にできなかった願い。この時点で、私の意識は完全に闇に飲まれてしまっていた。
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