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天狐あやかし秘譚

第6章 霖雨蒼生(りんうそうせい)


☆☆☆
夕刻。ダリは今日一日、結局どこに行っているか分からなかったが、夕飯時には家に帰ってきた。今日はともかく、昨日は色々助けてくれたので、お礼をしなくてはと思い、今日の夕飯はダリも好きそうなのを入れてみた。

秋刀魚の塩焼き、大根おろし添え
大根の葉っぱの味噌汁
カブと人参の浅漬
白飯♡

そして、
油揚げのチーズ焼き
を作ってみた。ついでに、ちっちゃいけど、日本酒。

私はめったにお酒を呑まないので、麦茶でお付き合い。
油揚げのチーズ焼きを出した時、ダリは座って当然のように食べ始める。特に、「ありがとう」とか「うれしい」とかは言わないが、チーズ焼きを見たときに、かすかにダリが目を見開いたのを私は見逃さなかった。

そして、日本酒をちびちび飲みながら、上品な箸運びで食べながらも、背中ではぴこぴこと尻尾が踊っているのがなんとも可愛らしい。作ってよかった。

「ねえ・・・ダリ・・・」
私は今日あったことをダリに話してみた。そもそも『構うな』と言っていたので、何か言われるかなと思ったが、特に小言めいたことを言われることはなかった。

ただ、一言、
「主は、優しいな・・・」
と。突然、言われたので、なんだか照れてしまった。

食事が終わり、寝る時間になる。この時間になると、私は毎日、ちょっと緊張してしまう。ダリははっきり言って何を考えているかわからない。私のことも、この関係のことも。たまに、そして、不意に迫ってきたりする。特に、夜はそれが多い。寝るときは、大抵、ダリが無茶を言う。

一緒に寝かせろとか、裸で寝よう、とか。

はっきり言って、困る・・・。それでも、今日は一日、一緒にいなかった時間が長かった。考えてみれば、ダリと出会ったあの東北旅行からあとは、ほとんど一日中ダリがそばにいる生活をしていた。なので、正直、一緒にいない時間がちょっと物足りないというか、なんというか・・・。

すいません。色々言いましたが・・・正直、一緒に寝たいです。
だって!だって、だって・・・一緒に寝ているだけで、気持ちいいんだもん。
そもそも、この時間にそわそわ緊張しているってことは、私自身がちょっと期待しちゃっているということでもあって・・・。その期待で物欲しそうにダリを見てしまわないかすごく心配になってしまう。
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