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天狐あやかし秘譚

第47章 病入膏肓(びょうにゅうこうこう)


☆☆☆
・・・ん・・・あ・・・んん・・・

幽かな声を感じて設楽が目を覚ました。もともと、占部の陰陽師は調査を担当している特質上感覚を鍛えているというのがある。加えて、設楽は眠りが浅い方だったのも影響しているのかもしれない。

なんの声だ?

耳をそばだててみる。

あっ・・・んん・・・ん・・

女性の声?

なんだろう・・・連想を広げていき、真っ先に思ったのが『喘ぎ声』だった。その発生原因に思い至り、設楽の顔がやや朱に染まる。この設楽という男、真面目一本槍の性格が仇となっているのか、33歳にして実は未だに童貞であった。男女の交わりについては土御門とは真逆で全くの初心と言ってもいい。

土御門様と・・・瀬良さん?

その可能性も考えた。瀬良家が房中術の使い手であることは周知の事実である。その行為を目にしたことはないが、要はセックスである。喘ぎ声のひとつやふたつあげるだろう。しかし、声の方向が違った。

あっ・・・いい♡・・・もっと・・ちょう・・・あはあん・・・

声はますます大きくなってくる。どうやら、階下から聞こえるようだ。ここは一階であるから、この家には地下室でもあるのだろうか?
違う客がいるのだろうか?とも思ったが、女将は客は我々だけだと言っていた。

気になりだすと、ものすごい気になってきた。設楽は浴衣の前を合わせると、そっと部屋から出てみた。廊下に出ると、ますますはっきりとそれが喘ぎ声だと分かった。

ああぁ!・・・お願い・・助けて・・・もう・・・奥・・奥にぃ・・・堪忍・・・もう限界なのぉ・・・助けて・・・あん・・・あぁ♡

湿った女の声、淫らな雰囲気が設楽の官能の中枢を刺激する。股間は大きく膨らみ、浴衣の前に張り出していた。ゴクリと生唾を飲み、そっと声の方に歩みを進める。

助けを求めている・・・?いったいどこで・・・?

暫く行くと、玄関口から部屋に案内されたときとは逆の方向に、下に降りる階段があるのが分かった。確かにこの家には地下室があるようだった。

ひんやりする地下室に降りていくと、石造りの壁が現れる。大体1階分くらい降りたところに横に続く廊下があった。短い廊下を進むと、そこには大きな部屋がある。

え?!
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