第6章 霖雨蒼生(りんうそうせい)
私は図書館をあとにした。フラフラと当てもなく歩き回った。一応、不動産屋さんもいくつか巡ってみたが、希望が希望なのと、自分自身も気合が入らないこともあり、もちろん不発だった。
考えはすぐに清香ちゃんのことに移っていった。・・・ダリは、どうすることもできない、と言っていた。多分そうなのだろう。その後の報道によれば、時本は終身刑。未だ刑務所にいる。悪の根源に罰は下され、社会的には終わった事件だ。
清香ちゃんの母親である美穂の幽霊は周囲にいなかった。もしかしたら、すでにダリが言うところの『常世』にいるのかもしれない。
清香ちゃんだけが、独りでいる。
未練を残してあの場所に縛られ続け、そして、魂を削られ続け、苦しんでいる。
「そんなのって・・・ないよ・・・」
何か・・・せめてなにかできることは・・・。
無意識に、私の足はあの公園に向いていた。