第32章 毛骨悚然(もうこつしょうぜん)
「じゃあ、草介さんは・・・」
彼は必死に私達に助けを求めていたということになる。
「そうですね。彼はこの儀礼の意味も知っている。ホシガリ様が何であって、自分がこの後どういう運命をたどるかも承知しているのです。そして、輿入れ前は警戒が厳重だけど、輿入れ後なら助け出せるかもしれない、と知らせていたのだと思います」
「おい・・・行列が村を離れていくぞ」
蔵の屋根の上で隠形術で身を隠しながら葬列を見送っていたダリが声をかけてくる。
「追いましょう・・・あの行列を見失ったら、本家にたどり着けませんし、草介さんも救い出せません」
私、宝生前、ダリは、葬列を組む人々に気づかれないよう、大きく距離を取り、身を隠しながら、輿を追いかけ始めた。