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天狐あやかし秘譚

第31章 誨淫導欲(かいいんどうよく)


☆☆☆
薫は泥のような眠りから意識がゆっくりと浮上してくるのを感じた。

あれ?私、一体・・・。
自分がどこかに寝ているのはわかる。ただ、どこにいるのかが、よくわからない。

自分の家・・・?じゃないな・・・。
薄っすらと目を開けると、自分の家ではない天井が見えた。
あーそうだった、私、松前荘に来てたんだ。言われたとおりにしなきゃいけないのに・・・なんで眠ってしまっているんだろう?

だんだん意識がはっきりしてきた。
そうだ、私は礼と當間姉妹と一緒に、ここにいる人たちを籠絡するために・・・。

ここまで考えて、やっと体の違和感に気づく。
私・・・手足が動かせない・・・?

「気が付きましたね?」

かろうじて動く頭を声の方向に向けると、そこには宝生前がいた。私の今夜のターゲットだった男だ。だけど、『私はゲイです』って・・・そんなの聞いてなかったよ!

そして、やっと自分の状況を認識した。私と礼は仲良く全裸で布団に寝かされて、手首と
足首を拘束具で固定されていた。ちょうど脚をM字に開く格好をさせられている。どうやら礼は一足先に目を覚ましていたようだ。

「薫・・・大丈夫?」

心配そうに声をかけてくる。

こんな格好、屈辱的だ。一体何をされたのかわからないけど、突然私達は気を失ってしまった。何か、薬でも盛られたのだろうか?

「さて・・・あなた達にはちょっと聞きたいことがあるのです。多分、綾音さんは二人の男とやらを昏倒させてしまうだろうし、ダリくんを襲った方の娘たちも無事では済まないでしょう。今の時点で、お話を聞けるのがあなた達しかいないんですよ・・・ぜひ、協力していただきたい。」

この男は私達から情報を聞き出そうという腹のようだ。それは出来ない。そんなことをしたら・・・。
私はぷいとそっぽを向いた。たとえ犯されても何も言うことは出来ない。
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