第23章 隋珠和璧(ずいしゅかへき)
季節が巡った。夏が来て、秋が過ぎた。冬の日が終わり、春が訪れる。
彼は、帰ってこなかった。
また、巡る。次の夏、その次の夏、そして、また次の夏。
彼は帰ってこない。
幾年経ったことだろう。
家の人はいつの間にかいなくなり、家に笑い声はなくなった。
私は待ち続けた。
だって、彼は「必ず戻る」と言ったから。
この家は、彼が戻ってくるところ。
私に会いに・・・来てくれるところ。
私にとって、かけがえのないもの。絶対に守らなければならないところ。
だから・・・だから・・・。