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天狐あやかし秘譚

第23章 隋珠和璧(ずいしゅかへき)


☆☆☆
玄関を入ると、すぐに土間がある。外観は日本家屋然としているが、内装は決して古臭くはない。確かに瀬良が言うように少し前にリフォーム済みのようだ。土間は三畳ほどで、正面と右側面に縁側のような部分がある。そして正面、右側面には襖が、左側には引き戸がある。左側の引き戸の手前には低い三和土が設えており、左側から入るときにはここで履物を脱ぐようになっているようだ。

左側の引き戸の向こうはLDKになっており、みんなでくつろげるスペースになっている。右側の襖の向こうは和室になっており、正面の襖の向こうには廊下がある。その廊下は左側のLDKと右側の和室をつなぎ、かつ、トイレとバス・洗面などに続く扉が設えてあった。

LDKは結構広々している。そこから更に奥に向かって部屋が2つあり、LDKの左側面向かって右は主寝室に使えそうな大きな洋間が、左側に客室に使えそうな床の間付きの和室があった。

「ままー!お風呂大きい!」
清香ちゃんがお風呂に感激している。
「ここはなにやら落ち着くな・・・」
和室を見渡してダリが呟く。
「ここ広くていいでござるなあ」
芝三郎がLDKで転がり始めた。
私はというと、お恥ずかしながら、主寝室を眺めて、ちょっと顔を赤らめていた。

これで、毎日ダリと一緒に寝られる?

ちょっと・・・いや、すいません、白状すると、かなり・・・うれしい。

「じゃあ、ちょっと、あちこち測りたいからみんな手伝って!」
私はリュックからメジャーとノートを取り出す。今、自分の部屋にある家具をどのように配置するかを決めなくてはならない。その上で、引っ越しの予定を早急に組む必要がある。

びーっとメジャーを引き伸ばす。

『・・・さないで・・・』

また・・・声?
「ねえ、今、なにか聞こえなかった?」
聞いてみるが、清香ちゃんも芝三郎も首をふる。念のためダリにも確認するが、聞こえなかったという。

うーん・・・。LDKの真ん中で周囲を見渡すが、私達以外の人はいな・・・

ん?

今、すっと視界の端を何かが横切った気がした。床の間のある、和室の方だ・・・・
そっと覗いてみるが、特に部屋の中には何もいなかった。

気のせいだろうか?
なんか気になるけど・・・。

「ダリ・・・ここって、もしかして何か」
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