第21章 大声疾呼(たいせいしっこ)
「いいの・・・だって、ダリは2000年以上生きてるんだし、恋人いない方がおかしいよ。ちょっと、びっくりしたけど・・・」
びっくりしたよ、だって、私にそっくりだったから。
でも、碧音のかわりに私を選んだのかとは、やっぱり聞けなかった。どういう返事をもらっても気持ちが乱れそうだったからだ。
話せるタイミングでいい。今は、まだいいよ。
なんとなく、そう思った。
「とにかく、ここを出ようよ。みんなが待っている」
手を引くが、ダリが首をふる。
「今のままではダメだ。妖力が足りない。術を解いても、鬼道を封じることはできない。おそらくあの術者がいてもダメだろう。」
「え・・・だったら・・・どうしたら?」
ダリが何かを『できない』なんて言うのを初めて聞いた。鬼道という言葉に、土御門や他の陰陽師たちも強い恐怖をにじませていたが、やっぱり実際、途轍もない代物なのだろうか・・・。
「主の助力が必要だ」
「私の?」
え?何?私、あなたを呼びに行く役割、ってだけじゃなかったの?
すっと、ダリが私の頬に手を伸ばす。温かい手の感触。
「すぐに、戻る必要もなかろう・・・。少し、味わわせてくれ」
はい?
一瞬頭が真っ白になる。が、ダリはそんな私に構わず、また、唇を奪ってきた。