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天狐あやかし秘譚

第19章 進退両難(しんたいりょうなん)


☆☆☆
大鹿島が朱雀鳴弦界法による結界を展開した時、始まりの女怪、河西佳苗が開いた、鬼道からあふれる妖気の出力も、鳴弦界によって強く抑制された。

それは、ダリにとって、チャンスであった。

内からの圧が減じた・・・これなら!

ダリが更に力を込めると、鬼道に押し返されかけていた術が一段と強化される。

封じ・・・込めることが・・・できる!

ダリの力によって、溢れ出た妖気がまるでビデオを逆回しするかのように元のライブラリー内に吸い込まれていく。そして、最後まで収束したところで、ダリが最後の呪言を唱えた。

「結!」

ぴーーーんと音が一つ鳴り、ライブラリー内の空間が暗転する。そして、そこはそれ以上音もなく、変化もしない、空気ひとつ揺るがない世界と化す。

そう、ダリが放った最後の術によって、ライブラリーにいた者、ダリと河西佳苗、そして倖田令児は鬼道もろとも時間停止の檻に封じ込められたのだった。

凍った時の檻が、完成した。
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