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天狐あやかし秘譚

第16章 鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)


☆☆☆
ボー然とする私に気を遣ってくれたのか、瀬良が補足をしてくれる。
「突然、言われても困りますよね?順を追って説明しますと・・・」

宮内庁陰陽寮というのは、日本における霊的な禍いや災害を防ぐためにある組織なのだそうだ。そして、その発足は平安時代に遡るという。

「時代の変遷に従って属する上位機関は変わっていますが、陰陽寮自体はほぼ同じ組織構造を保持し続けています」
瀬良が淡々と説明を続ける。

「あんたも知っとるやろ?有名な安倍晴明。あれは実在した陰陽博士であり、当時は天文部門に属しとった。わいは、その、子孫や」

え?だって・・・土御門って。

「土御門っちゅうのは、阿倍の直系が後に名乗った名字。正真正銘直系子孫なんやで。そして、わいはそこの次期当主!めっちゃ偉いねんで?」
土御門が親指で自分を指し、ドヤ顔をする。なんか、表現方法は違うが、自信満々なところはダリに似ている。

「とまあ、そういう組織なのですが、その役割上、誰でも働けるわけではありません。一定の呪力というか、霊力というか、そういった力が必要です。そこで・・・」

「ま、そういう力持っとる人がおると、こうしてスカウトしてるっちゅーわけや」

「綾音様にはこちらにいらっしゃる天狐様、清香様、芝三郎様というかなり強力な妖怪を従えるだけの能力があるとお見受けしております。その能力、ぜひ、陰陽寮で活かしていただきたい、そういうわけで今回はこうして説明に上がった次第なのです。」

「まあ、そうしたらいきなり警察に任意同行求められとって笑けたけどな。うちに就職して、宮内庁のライセンスあればああいうことも今後おこらへんから、安心しいや」

畳み掛けるように二人が言葉を続ける。これって・・・スカウトってことは・・・。
「あなた達は、私達を疑っていない・・・の?」
恐る恐る聞いてみた。疑われているのだとばっかり思っていた。
だって、処遇を預かるっていってたから。

「ぜーんぜん。だって、わいら、見てましたもん。ま、正確に言えばわいの『シキ』が見てましたんで、あんさんらが無実っちゅーことは先刻承知。だけど、こっちも公務員やさかい、正式な手続き踏まんと身柄引き受けられへんので、少々迎えに行くの時間かかってん。堪忍やで。」
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