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天狐あやかし秘譚

第117章 大信不約(たいしんふやく)


「な・・・なるべく綾音様好みの色男にする予定でございました。術にて誑かせば大抵の男子はなびきますがゆえ、その後、綾音様には伴侶もでき、一石二鳥の妙案かと・・・」

いやいやいや・・・
もし、佐那の計画が成功していたら、私はある朝目覚めたら見知らぬホテルで、眠っていて、隣のイケメンから、

『綾音・・・昨夜はすごかったよ』

とか言われて、なし崩し的に付き合うことになって・・・って事になっていたと!?

一瞬停止・・・ちょっと想像して・・・いいかも、と思いかけた自分の邪悪な思念を頭をブンブンと振って追い出す。

「だ・・・ダメよ!!!」

というわけで、あーでもないこーでもないと、侃々諤々と議論した結果、結論としては、こうなった。

『一日だけ私(浦原綾音)の身体を佐那に貸すから、傷つけないようにして返すこと』

と・・・。

だ・・・だって、だって、他の人には取り憑けないって言うし、他に方法ないし!!
い、嫌だけど・・・しょうがないからっ!

こうして私と佐那は、ワンナイト・ラブの相手を一緒に探すことになった・・・のだが。問題はもう一つある。

寝る前に母に言われていたのだ。

『明日は綾音といっしょに東京見物したいんよね・・・。スカイツリーに行きたいんちゃ』
と。

つまり、私は、『母と東京見物』をしながら『佐那と男探し』をするということになってしまったのである。
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