第116章 温慈恵和(おんじけいか)
こうしてあっという間に2日が経過していき、私は追い詰められていった。この2日間、はっきり言って睡眠もよく取れてない。母からは連日のように電話がかかってくる。『東京見物、母さんスカイツリーっちゅうんに行きたいんよ』だとか、『お仕事場の人のおみやげは明太子がいいか、博多通りもんがいいか』とか・・・
も・・・ものすごく楽しみにしている・・・。
今まで寂しい思いをさせていたのだ。娘に会えると思うと嬉しいのだろう。
それに、そもそも母としては娘である私がちゃんと生活できているのかと心配しているというところもあるに違いない。そんな母の愛情をやっぱり無下にはできない。
しかし、この現状(妖怪だらけの綿貫亭など)を母に納得行く形で示す良いアイデアもない。
ああああ!困ったあ!!!
こんなふうに頭を抱えていた私に、ダリがポツリと言った。
『もしも、我が綾音のご母堂を化かしてよければ・・・』と。