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天狐あやかし秘譚

第102章 能鷹隠爪(のうよういんそう)


☆☆☆
「あれだ!間違いない!」

九条と御九里は海上保安庁の巡視船から船影を確認した。港に停泊する多数の外国籍船の中から日暮達が乗り込んでいる船を特定するのに、警視庁、海上保安庁、そして土門の占術を駆使しても30分以上の時間がかかってしまった。

時間が過ぎてしまい、もうダメだと思われたのだが、特定された船から、一向に出港の合図がきていないということが港湾局からの通信で分かった。

とにかく、まだ間に合う!となり、海上保安庁に協力を要請して、やっとのことで船に乗り付けたというわけだった。

「日暮!」
「日暮さん!」

え・・・!?

甲板に乗り込んだ九条と御九里は、本日二回目のフリーズを経験した。

「なんだこりゃ・・・」
10秒ほどの沈黙の後、御九里がポツリと呟いた。
「みんな、のされていますね・・・」
九条がその後を引き継いだ。

甲板の上には、おそらく人身売買組織の一味であろう男たちが、ある者はボコボコに殴られ、ある者は血まみれになり、またある者は脳天を地面に叩きつけられるという姿で、全員うめき声を上げて気絶していた。

・・・・・。

「と、とにかく日暮さんと人質を探しましょう」
「お、おう!」

九条と御九里が手分けして船の中を探し始める。大型船のため時間がかかると思った九条は白鷺姫も動員して探していた。

甲板の後ろの方を探していた御九里が、青い光に照らされた白い何かを発見した。

ーんだ?ありゃ?

よく目を凝らすと、それは、全裸の女性だった。青い月明かりの下。艶めかしい姿で甲板上に突っ伏している。ふっくらとした肉付きのよいお尻が丸見えになっていた。

「・・・!ひ・・日暮!!」
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