第7章 一途
そして今。
「行けるね?」
長義さんが号令をかけて3振りが踏み出す。彼らの足取りを阻むものはもう何もなかった。
鶴丸国永の肉体を持つ“それ”が、一瞬、表情を歪めた。
言霊を破るものが現れるのは想定外だったらしい。
三日月との激闘の疲労が、確実に残っていた。消耗した身体には、新たに三振りを相手取る余裕はない。
“それ”の呼吸が乱れて、踏み込みが、わずかに遅れる。
その刹那。
山姥切国広の一撃が、正確に、容赦なく振るわれた。
狙いは命ではない。
戦いを終わらせること。
真っ直ぐの太刀筋が鶴丸国永の本体を目掛けて放たれる。
一際高い金属音が弾け、刀が宙を舞う。
雪の上に落ちたそれを見て、私は、理解した。
ああ、終わったのだ。
私は、雪の中で息を整えながら、そのスローモーションのような光景をただただ見つめていた。