第7章 一途
刹那、血走った目が、こちらを射抜いた
鶴丸国永が、私を見つけたのだ。
息が詰まる。
あれは、私の知っている彼の目じゃない。出会った時に垣間見えた、優しさも驚きを求める好奇心も、もはやそこにはなく、剥き出しの敵意だけが瞳に宿っている。
「……ようやく、審神者のお出ましか」
こちらをせせら笑うようでありながら、血を吐き出すような苦しげな声だった。
嘲るように口角を吊り上げているのに、その表情はどこか仮面を貼り付けたようだ。
三日月さんと鶴丸さんは間合いを保ったまま一歩も譲らない。
どちらかがほんの一瞬でも気を抜けば、命を奪ってしまえるような距離だ。
「動くなよ」
鶴丸が視線は三日月さんから離さず、こちらに向けて叫ぶ。
「一騎打ちを邪魔するなんて、無粋なことはしてくれるな」
ぞくりと背筋が冷えた。
ただの牽制じゃない。この本丸という空間自体が、私たちを拒絶している。
体が、重い。
三日月さんは、深く息を吸い、刀を握り直した。
所作はいつも通り優雅だが、荒く上下する肩が物語っていた。
……消耗している。