第7章 一途
「しっかりしろ、あと少しだ」
寒い。外はすっかり暗くなっている。雪で前が見えない。息が苦しい。肺を針で刺されたような痛みを感じる。
長義さんに励ましてもらったけど、正直もう気力で足を無理やり動かしてるだけで、状況は全く分かってない。前を歩く豊前江の緑色の外套だけを道標に、歩く。
霊力の使い過ぎと瘴気の影響で体はかなり限界に近い。
どうか、どうか、三日月さんも鶴丸さんも無事でいますように。間に合いますように。
長義さんの予想が正しいなら、山姥切の2振りと豊前江でどうにか2人の戦いを止められるはず。
屋敷を出て吹雪の中歩き続けること、しばらく。
加州さんや薬研さんをはじめとする、他の刀たちの姿が見えた。
その向こうには、血を流しながら戦い続ける2振りの姿があった。
やはり2振りに近付けないらしい。
そして、ひどい瘴気だ。