第5章 正体
そんなことを思いながら、私も立ち上がった。その時、ふと、あの存在を思い出した。
「そうだ!!みなさん、私と一緒に来たこんのすけを知りませんか??」
誰かしら知っているかもしれないとちょっと期待をしていたが、予想とは裏腹にみんな首を傾げた。
代表して豊前が答える。
「こんのすけ?さぁ、見てねーなぁ。
というか、うちの本丸に元々いたやつもいつのまにか姿を消していたんだ。政府に帰ったのかもしれねーけど…」
「な、なるほど…分かりました…教えてくれてありがとうございます…」
管狐が2匹、行方不明。これ、私が政府から『備品の管理を怠った』とかで怒られないかな…と遠い目をしている私に、話があると言っていたにっかりさんが近付いてきた。
「豊前、少し席を外してもらえるかい?」
「……了解だ」
こうして私とにっかりさんは広間に2人きりになった。にっかりさんは周囲に人がいないのを確認してなお、密やかに言った。
「単刀直入に聞こう。君、三日月さんに神隠しされたね?」