第5章 正体
山姥切長義、鶴丸国永、三日月宗近が続々と広間を去っていき、大包平も用が済んだとばかりに廊下に消えた。
広間にはさっき話してくれた3人と、蛍丸と豊前、それに私の6人が残された。
「さて、何人かいなくなっちまったけど、このあとはどうするよ、審神者さん?」
豊前さんが私に尋ねた。
「そうですね…国広さんの様子も気になりますし、話を聞くのはまたいつでもできますから、そろそろお開きにしますか」
山姥切国広には聞きたいことがたくさんあるのだ。
なんで重傷になったのか。審神者がいなくなった本丸では勝手にゲートも使えない筈だから外に出た訳ではない。手入れをした時からずっと気になっていたのだ。本丸の中であんな風に刃こぼれするような戦闘になった経緯が分からない。相手は誰なのだろう。
敵は外部なのか、内部なのか。
加害者の正体が分からないこと、経緯を知ることもない突然の出来事だったこと…
山姥切国広の傷害事件と、前審神者の失踪事件はどこか似ているように私は感じていた。
それに、最後に審神者を目撃したのは、加州清光の話によると山姥切国広らしい。その時になにか不審なことがなかったかも気になる。
「お開きにする」という私の返事をきいて、各々が立ち上がった。
「俺っちは審神者さんや豊前と一緒に手入れ部屋に行くぜ」
と薬研さん。
少し考えた様子の後に、
「さっきの鶴丸さんの様子が気になるから、俺はあの2人を探すよ」
と加州さん。
「え〜俺は部屋に戻ろうかな、お腹いっぱいだから眠くなっちゃった」
と蛍丸。
「じゃあ僕はここを片付けてから部屋に戻ろう。あぁ、でも審神者さん、あとでちょっと話があるから、2人きりになりたいかな」
とにっかりさん。
「俺はあんたに付き添うぜ!」
と豊前江。
各々、行き先は決まったみたいだ。にっかりさんの話とはなんだろう…?