第4章 探偵ごっこ
平常心を取り戻せずそわそわと落ち着かない私と、もうすっかりいつも通りにほけほけと笑っている三日月さんを呆れたように見遣ると、加州さんは畳の上に置いていたおぼんを手に取った。
三日月さんを引き剥がす時に両手が塞がっていたら困ると、一旦床に下ろしていたらしい。
「どうせ三日月もお昼食べてないだろうと思ったから、二人分持ってきたよ。
見た目はあんまりだけど、味は結構いけると思う。燭台切や歌仙の料理にはかなわないけどね」
彼は少しはにかみながら言った。
昼食はオムライスだった。ケチャップの美味しそうな匂いがする。
ご飯を目の前にして、私はもはや空腹に抗うことが出来ず、早口で「いただきます」と言ったあと、スプーンに乗り切れるだけのチキンライスを乗せて、口の中に放り込んだ。
あたたかくて美味しいご飯は人を安心させてくれるらしい。なんだか涙がこぼれそうになった。
「おいしい…」
なかば独り言のように呟いたが、加州さんの耳には届いたらしい。
「そ?よかった〜おかわりはないからゆっくり食べなね」
赤いマニキュアが彩る手をひらひらと振って、彼は元に座っていた場所へ戻った。
隣に座る三日月さんも同じようにオムライスを食べ始めたが、恐ろしく一口が小さい。これは彼が食べ終わるまでゆっくり話をして間を持たせるしかない。
「んで、話を戻すと、審神者さんは俺たちのことが知りたいって言ってたな」
せっかちらしい豊前さんが私と三日月さんが食べ進めるのを横目に話し始めた。
それを聞いた蛍丸が無邪気に私に問いかけた。
「ねぇさ、俺思ったんだけど。きっと、目的は仲良くなるためだけじゃないでしょ?
審神者さんは、前の主のことが知りたいんだ。
違う?」