第3章 どこでもない場所
……状況は理解した。私自身が既に事件の歯車に巻き込まれていることも、巻き込まれた以上これから真実を究明しなくてはならないことも。
「話というのはこれで終わりですか?」
「大体は…そうだな」
ちらりと空を見上げて逡巡した後、三日月さんは答えた。
「一言よろしいでしょうか」
「かまわんぞ」
向かい合って話していた三日月さんに背を向けるように、くるりと私は体の向きを変えて、大きく息を吸い込んだ。
「帰らせてくれーー!!!!」
広い広い神域内に私の叫び声はぼわぼわと反響した。透き通った水面が揺れる。
背後から、耐えられないとばかりに吹き出す音が聞こえた。まったく人のことをこんなに笑うなんて、失礼な神様だ。