第2章 初めまして···?
シュンッ!と一瞬の浮遊感の後、が恐る恐ると目を開けると、先程とはうって変わった風景に瞬きを繰り返した。
「え···あわわ!···ここは、どこ···?」
ローはポーラータング号に着くと、を肩から降ろした。
「ようこそ、ハートの海賊団へ。ここはおれの船の潜水艦の中だ」
「海賊団?···潜水艦!?」
何かの本で読んだ事はあるが、まさか自分が潜水艦に乗ろうとは誰が思うだろう。
「こっから逃げようったってそう簡単にはいかねェ。まぁ、お前が″悪魔の実″を食っちまった時点で無理な話だがな。ここは海の中、悪魔の実の能力者が泳いで逃げ切れるとは思わないこった」
見た目はひょろっとした高身長の男だが、担ぎあげられた瞬間に筋肉質の体をしていることはわかった。
ちなみに眼力も凄い、刺青も指から至る所にあり、ローの風格に圧倒されたは怯えながら「は、···はひっ」と返事をするのがいっぱいいっぱいだった。
(私、どうするべき?と言うか攫われた···これからどうなるんだろう)
「安心しろ。取って食おうなんざ思ってねェ。ただ、お前の能力には興味がある」
「能力?」
(私の···?そう言えばこの人も、凄い技を使ってた···瞬間移動···みたいな)
「とりあえず付いて来な。まずはお前を皆に紹介する」
長い足で踏み出された歩幅は広く、は小走りについて行く。