第1章 薬屋
「···あ、」
(しまった──···)
ザワザワと広がる【緑の魔女】と言う言葉の裏には、の祖母が深く関係していた。
はその孫だが、フードを被った姿は小さく年取ったようにも見えるだろう。
この港においての【緑の魔女】と言う言葉は、あまり歓迎されている物では無かった。
「おい、お前」
先程聞いた声に、は嫌な予感がした。
「ひっ!」
そんな中で、ローはの肩に手を乗せた。
やはり、とは身を縮こまらせた。
「お前、″能力者″か」
「···能力者?」
「さっきのデタラメな力だ。悪魔の身を食わなきゃあんなモン生み出せねぇ」
はローからの質問にわけも分からず、復唱するが、周りの民集の空気にローはを軽々肩に担ぎあげた。
「わわっ!!!?な、何を!!」
「お前嫌われてんだろ?なら丁度いい···一緒におれ達と一緒に来い」
「へ?いやちょっと···、」
「なぁに、悪いようにはしないから安心しろ···ルーム」
いきなり現れた半球型のドームに、は驚愕した。
「何これ!?」
「シャンブルズ」
ローはを抱えたまま、ポーラータング号へと帰還した。