第1章 薬屋
「やっちまえ───!!」
と海賊達の歓声がわく中で、は地面に手をつけると頑丈な蔓を生やした。
「はぁ!?なんだこりゃ、ビクともしねー!!」
大男が騒ぐ中で、フードを被ったはそのままギリギリ大男に巻き付かせて縛り上げた。
大の大男が体を動かそうとするが、ビクともせずに蔓に締め上げられていく。
その隙を見て、は子供を呼んだ。
「君、こっちにおいで」
「っ、···!!!」
駆け出してきた子供にブチ切れた大男が叫んだ。
「えぇい!!!殺せ!ガキを殺せ!!!」
「·····、させない」
何千枚もの葉を生み出したは、そのまま大男へと向けた。
飛んでいく葉はブチブチ大男の肌を削いで行く残酷な姿に、子供に見せまいと抱きしめた。
「うああああああああァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!!」
大男の断末魔が響いたと同時に、直後にバタンと倒れた音がした。
はパチンと指を鳴らすと、葉はひらりひらりと地面へ落ちた。
立ち上がったて見れば、白目を向けて倒れている大男の姿が目に入った。
「·····あれは、魔女だ!」
「緑の魔女だぁ!!」
の視線が海賊から一気にに集中する中で、「早くお帰り」と、ポン、と子供の背中を優しく押した。