第1章 人生何が起こるか分からない
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時は1月1日。
外もテレビもお祭り騒ぎ。
そう、お正月だ。
瀬名はお正月休みの為実家に帰っていた。
おせにちお肉、蟹まで贅沢三昧だ。
それを目の前に瀬名の目が輝く。
『こんな贅沢なもの、やっぱり正月って最高!』
「ささ、いっぱいお食べ!」
今にも涎が垂れそうな程に口を開いている瀬名におばあちゃんから話しかける。おせちはおばあちゃんが作ったもの。瀬名は毎年このおせちを楽しみにしていた。
そしてみんな揃ったところで、頂きます、の声と共にそれぞれ家族みんなが食べたいものを皿に運ぶ。
瀬名はあれもこれもと、溢れんばかりのおせちなどのおかずがのっている。
『わぁ〜!どれも美味しそう〜何から食べよう…。』
「ゆっくり食べなさいな。喉詰まるわよ。」
母にそう言われた矢先おかずが喉に詰まる。
ゴホッゴホッと咳き込む瀬名を見てみんなが笑い、母は、ほら言わんこっちゃないと少し切ない笑顔で見ていた。
ひとしきり食べ終え、ゆっくりしていたところ、母から声がかかった。
「瀬名、ちょっといい?」
『ん?どしたの?』
こっちに来てくれる?と言われ、なんの事か全く分からない瀬名はそのまま母に着いていく。別室に移り、瀬名はなんでまたこんな静かな所で、と不思議に思った。