第1章 久しぶりのティータイム
「お待たせ!」
そう言いながらも雅はジュンスの待つテーブルに歩いて来る。
「大丈夫だよ。僕も今来た所だから」
「そういう時って結構ジュンス待ってるじゃん…」
「今日は本当にさっき来たばっかりだよ。その証拠にコーヒーもないだろ?」
「……確かに…」
そう言いながらも向かい合わせに席に着く。雅が席についてメニューを見出したタイミングでジュンスもメニューを開く。
「…どれがいっかな…」
「迷ってるのはドリンクじゃなくてスイーツだろ?」
「…ひどくない?」
「じゃぁ今開いてるページ、見せて?」
すいっとメニューを取り上げる様に手を伸ばせばいった通り、スイーツが並んでいた。
「…ち、がうもん…このドリンクセットのを見てただけで…」
「はいはい」
クスクスとおかしそうにジュンスは少しだけ子供の様に膨れる雅の顔を見つめた。
店員をベルで呼び出せばそれぞれ注文していった。
「…以上でよろしいですか?」
「はい」
そうしてメニューをしまい、片ひじを付いたまま雅の方に視線を送るジュンス。
「…今度はどうかした?」
「…どうかしたって、何が?」
「ん?雅が珍しくティータイムに誘ってくれるからさ?何かあったのかなって思って…?」
「特にないよ?ジュンスどうしてるかなぁって思った」
「…そう?」
「ん」
そうしてふふっと笑う表情にジュンスは小さく気付かれない程のため息を吐いた。