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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第16章 神楽坂蓮と『氷の薔薇』


「違う」

 
ルシアン様の声が低く響いた。
氷の公爵の瞳は鋭く、私を逃さない。
 

「君の中には、確かに別の存在がいる。
氷の薔薇を咲かせた時の君は、ただのヴァイオレットではなかった。
その奥に潜む“だれか”を、私は見ている」

 
その言葉に、心臓が跳ねる。
――やばい!これ、完全に正体バレイベントじゃん!
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「公爵様、そんなこと……」
 
私はいつものヴァイオレットになって微笑を浮かべ、言葉を濁す。
だが、ルシアン様は一歩近づき、さらに追い込む。

 
「君は誤魔化せると思っているのか?
だが、私は確信している。
ヴァイオレット嬢の奥に潜む“だれか”を、私は必ず引きずり出す」

医務室の空気は張り詰め、他の令息たちも息を呑んだ。
レオン様は困惑し、ノエル様は興奮し、ユリウス様は冷静に私を庇おうとする。
だが、ルシアン様の瞳は揺るがない。

氷の公爵の視線は、私の仮面を剥ぎ取ろうとするかのように鋭かった。
 
氷の公爵ルシアン様の瞳が、鋭く私を射抜いていた。
「君の中には、別の存在がいる。氷の薔薇を咲かせた時の君は、ただのヴァイオレットではなかった」

心臓が跳ねる。
――やばい、これ完全に正体バレイベントじゃん!
攻略サイトなら「隠しルート分岐」って赤字で出るやつ!

 
「おいおい……何を訳の分からないことを言ってるんだ、公爵様。
ヴァイオレットはヴァイオレットだろ?」

 
ルシアン様の肩に軽く手を置き、レオン様が苦笑混じりに言った。
その言葉に、場の空気が少し和らぐ。

 
「ヴァイオレット嬢の中に別の人格が存在する?……これは面白い仮説だ」

 
ノエル様は目を輝かせ、水晶版に必死でメモを取り始める。
彼の筆は止まらず、まるで新しい物語の断片を記録するかのようだった。
 

「まぁ、たしかに変わったな。昔のヴァイオレットだったら怒らせたら10倍返し。今日なんてその半分程度だ。疑うなら、少しお転婆が改善されたところか?」
ユリウス様は診療を見ながら、ポンと私の頭に手を置いた。
その手の温もりに、少しだけ心が落ち着く。

――だが。

「違う」
ルシアン様の声が低く響いた。
氷の公爵の瞳は鋭く、私を逃さない。

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