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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第15章 『氷の微笑』発動!


好奇の視線はマーゴットへと集中し、彼女の肩は小刻みに震えていた。
ロベルトと呼ばれた令息も、居心地悪そうに視線を泳がせる。

――氷の公爵と氷の薔薇。

 
「それにわたくし――やられたら十倍返しが家訓ですのよ。
このシャンパンは、それの……手始めみたいなものですわ」
 

氷の微笑をさらに深めながら、濡れ鼠のようになったマーゴット男爵令嬢を見下ろす。
その視線は凍りつくように冷たく、彼女の背筋を震えさせた。

「……っ!」

 
マーゴットは前髪をかき上げ、必死に睨み返す。だが、その瞳には怯えが滲んでいた。
周囲の令息や令嬢たちの視線が突き刺さり、彼女の肩は小刻みに震える。
 

「ロ、ロベルト様……行きましょう!」

 
彼女は相手の令息の腕を掴み、出口へと急ぎ足で向かおうとする。
だが、濡れたドレスの裾が足に絡み、歩みはぎこちない。
好奇の視線に晒されながら、必死に逃げようとする姿は、先ほどの傲慢さとはまるで別人だった。

私はその背を見送りながら、氷の微笑をさらに深める。

 
「十倍返しはまだ始まったばかりですわ。……逃げられると思って?」
 

その言葉は誰にも聞かれぬよう、唇の奥で囁いた。
マーゴットの背中は、まるで追われる獲物のように小さく震えていた。

(逃げようってか?
アメリアを傷つけて、私たちお揃いの髪飾りを壊しておいて……それで済むと思ってんのか?)

私の中のヴァイオレットが鎌首をもたげ、氷の微笑をさらに深める。
その視線は鋭く、マーゴット男爵令嬢を逃がす隙を与えない。

「さすが、裏口入学が噂される家格の低い男爵家。そうそう…ご禁制の賭博にまで手を出してる噂もございますわね。
 まぁまぁ、逃げる様子がお粗末です事。
でも――我がローゼン家からそう易々と逃げられるとお思い?」

その言葉に、マーゴットの顔は青ざめた。
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