悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について
第14章 嫉妬イベント発生!
表情は令嬢の微笑で冷静に振る舞いながらも、心の中ではキャピキャピ。
「これ、隠しルート突入じゃん!」
「ユリウスとルシアンが火花散らすとか最高!」
ルシアンの胸の内
ユリウスを真っ向から退けた後、ルシアン様はふと黙り込んだ。
氷の公爵の瞳に、疑問符が浮かぶ。
――なぜ、自分はここまで彼女を守ろうとするのか。
――なぜ、冷徹さの奥に熱が宿るのか。
「……何かが違う」
彼は心の中で呟いた。
氷の仮面の奥で、確かに揺らぎが始まっていた。
後夜祭の舞踏会。
ルシアン様とユリウス様が火花を散らし、私をめぐって視線をぶつけ合っていた。
氷の公爵の冷徹な瞳と、従兄の嫉妬に燃える瞳。
その間に立たされ、私は息を呑む。
――ここは!?どれが正解!?
脳内で好感度ゲージが浮かび上がる。
「ルシアン様を信じる」か、「ユリウス様を宥める」か、あるいは「黙ってこの場を見守る」か。
問題は、黙って見守ること。
両方にいい顔をすれば、大抵両方の好感度が下がる。
どちらかを選ばないといけない。だが、選ばれなかった相手の好感度はダダ落ちする。
「うーん……推しを推すならルシアン様だけど……従兄の嫉妬はレベル高いぞ!」
心の中でキャピキャピしながらも、必死に脳内をフル稼働させていた。
二人の間で時間は過ぎてゆく。
選択肢が消える前に決断しなければならない。
だが、心臓の鼓動が早まり、頭の中では「好感度管理」「イベント分岐」「隠しルート」の文字がぐるぐると回っていた。
わたしは、微笑を浮かべながらも、内心は完全に乙女ゲー脳。
「これ、攻略サイトなら赤字で『重要選択肢』って書かれるやつ!」
「どっち選んでもドラマチックすぎて心臓がもたない!」
私は必死に笑みを保ち、二人の視線を受け止める。
――この場面は、確かに物語の分岐点だった。